大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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生活・しつけ
年長 2017年8月22日の記事
8月もそろそろ終わり。朝夕涼しくなって、秋の虫が鳴きはじめる季節ですね。つい最近までセミの声が響いていたのに、虫たちはちゃんと季節の移り変わりを知っています。「生き物って、不思議だな」と思ったことはありませんか?
生き物のちょっとした不思議に「へぇ〜、そうだったんだ」と感心したり、さらに興味がわいてきたり…。そんなきっかけになる絵本をご紹介します。
『ゆらゆらチンアナゴ』(横塚眞己人 写真、江口絵理 文)は、チンアナゴの絵本です。でもチンアナゴって何…? じつは、姿も生態もユーモラスなことから、全国の水族館でも人気者なんです。魚なのにはんぶん砂にうまっているし、ゆらゆらゆれているし…そもそも本当に魚なの? ヘビとかミミズの仲間じゃない? 素朴な疑問が次々わいてきます。
にょろにょろして細長い姿。砂の穴からいっせいに顔をだしているところは、まさにあの「ムーミン」に出てくるニョロニョロの世界です。でもチンアナゴって、犬の狆(チン)に似ているアナゴだから、チンアナゴというんですって。まさか犬に似ている魚(見かけはミミズ)がいるなんて。正面から撮った写真を見ると、たしかにちょっと似てる…かな?
ケンカしたり、エサをとりあってからまったり、巣穴をほったり。水のなかでゆらゆらゆれる細長い生き物を見ているだけで、なんとなく癒されるような気持ちになります。気持ち良さそうだな…。ちゃんとうんちがでてくる場所もあるんだね…。親子でのんびり会話しながら楽しむのにもぴったりです(笑)。
本書は「ほるぷ水族館えほん」シリーズの1冊。この写真絵本シリーズはなかなかおもしろいので、『アマミホシゾラフグ』『クラゲすいぞくかん』など、気になったら他の本も手にとってみてくださいね。そして絵本を読んだあとは、水族館で実物をじーっくりながめてみるのもおすすめですよ。
子どもが一度は手にのせて「みてみて!」という虫、だんごむし。『ぼく、だんごむし』(得田之久 文、たかはしきよえ 絵)は、読むとだんごむしの不思議な生態がわかって、だんごむしを見る目ががらっと変わる絵本です。
公園や、家のそばの植え込みなど、石をひっくり返したらいつもそこにいる。だんごむしは、子どもにとってすごく身近な生き物ですよね。でも「そういえば、何を食べてるの?」「だんごむしも、うんちをするのかな?」 意外と知らないことがいっぱい…。そもそもだんごむしって、昆虫なんでしょうか?
そんな疑問を抱いたら、さあ、いっしょに本を開いてみましょう。だんごむしは、枯れた植物や虫だけじゃなく、新聞紙やダンボールを食べる。おまけにコンクリートや石まで食べる。すごい食欲なんです。うんちは、なんと四角い! 脱皮をするときは、まず半分だけ脱皮して、皮を食べて、翌日に残りの半分を脱皮する。しかも…昆虫じゃなかった!
次々明かされる生態は、驚きの連続。親子で「へぇ〜!」と感心したあとは、友達の親子に「ね、知ってた? 知らなかったでしょう?」と自慢したくなることまちがいなしです。この絵本は、はり絵が美しく味わいがあって、虫がちょっぴり苦手なママにもおすすめしやすいのがポイント。発売以来、子どもたちに人気の絵本です。
「やあ! こんにちは」「ぼくたちにはとてもふしぎなたべものがあるんだ。なんだかわかる?」「ぼくたちのこと、飼ってみない?」 本の文章は、すべてだんごむしのせりふでできています。親子でだんごむしの不思議さ、目からウロコのおもしろさを、ぜひ感じてほしい1冊です。
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大和田佳世(おおわだ かよ)
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