1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年10月17日の記事
●こんなにマイペースで大丈夫?
鈴木さん(仮名)のお子さんの裕太君(仮名)は、今、小学生です。
今から紹介するのは、裕太君が年長さんだったときの出来事です。
裕太君は何をするにもゆっくりで時間がかかります。
食事も遅い、着替えも遅い、歩くのも遅い、片づけも遅い、離すのも遅い、という感じです。
あまりにもマイペースなので、鈴木さんは心配していました。
もうすぐ小学校に入学なのに、これで大丈夫なのかしら?
みんなについていけないんじゃないだろうか?
給食や体育の時に困るんじゃないだろうか?
先生に叱られるのではないだろうか?
●「はやく、はやく」と急がせる
それで、鈴木さんは裕太君がもっとはやく動けるようにしようと思って行動に移しました。
「はやくしなさい。はいはい、スピードアップ。のろのろしない」
「はやく、はやく。そんなことじゃ、小学校でついていけないよ。みんなにおいていかれるよ」
「さあさあ、2倍速で動くよ。途中で休まないよ」
「ほらほら、動きが止まってるよ。急いで急いで」
「何分でできるか、時間を計るよ。用意、ドン」
「キッチンタイマー3分セット。アラームが鳴るまでに着替えが終わるよ。用意、始め!」
「今日は20分で食べ終わるよ。学校の給食も20分だからね。ぼうっとして止まってないで。お箸と口を動かしなさい」
こういう感じで、しょっちゅう裕太君を急き立てて急がせました。
●ストレスから妹をいじめる
お母さんの努力の結果、どうなったかというと、裕太君は結局はやく動けるようになりませんでした。
お母さんがそこにいて、急がせているときはちょっとはやくなるのですが、お母さんがいないときはいつも通りのマイペースでした。
そのころから、裕太君はよく「お腹が痛い」と訴えるようになりました。
幼稚園でも家でも頻繁に訴えました。
幼稚園では友達とけんかして泣くことが増えました。
そして、これは後で発覚したのですが、陰で妹をいじめていたのです。
お母さんから受けたストレスがたまって、こういう形で出てしまったのでしょう。
●生まれつきのペースは変えられない
子どものペースは生まれつきのものなので、簡単に変えることはできません。
無理なことをすれば、そのストレスによっていろいろな弊害が出てきます。
私は教師時代にマイペースな子もたくさん受け持ってきました。
その経験から言えることは、親御さんたちが心配するほど困ることはないということです。
学校にいるときは、当然、家にいるときより緊張しているので、それなりにはやく動くようになります。
●友達に手伝ってもらっていい
それに、マイペースな子はおっとりした癒し系の子が多く、友達に好かれます。
ですから、時間がかかって遅くなりそうなときは周りの子が手伝ってくれます。
こういう助け合いが子どもたちの間で自然に生まれてきます。
私はそれでいいと思います。
マイペースな子は周りに癒しを与えていますから、持ちつ持たれつの関係なのです。
「手伝ってもらっているといつまでも自立できない」などと固く考える必要はありません。
時期が来ればできるようになりますから大丈夫です。
「全部自分でやらなきゃダメでしょ。何やってるの?はやくしなきゃダメでしょ」などと叱ってばかりいると、子どもは「自分はダメな子だ」と思うようになって、かえってできなくなります。
そちらの方が心配です。
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