1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年6月27日の記事
●存在否定の言葉は
今は大人になっている人たちの中にも、子どものとき親に言われた言葉で傷つき、それが一生涯の心の傷になっている人たちがたくさんいます。
そして、今も現在進行形で、日々、親の言葉によって傷ついている子どもたちがたくさんいます。
人の心が傷つくとき、その原因の大半は言葉によるものです。
親が絶対に言ってはいけないのが、存在否定の言葉です。
「あんたなんか生まなきゃよかった」
「本当は欲しくなかったんだけど。できちゃったから仕方なく生んだ」
「お前なんかいなけりゃいいのに」
「お前なんか大嫌いだよ。顔も見たくない。消えて欲しいよ」
こういうことを言われれば、子どもは深く傷つき、とてつもなく不安になります。自分の存在そのものを否定されたのですから当然です。
子どもは、「ぼくは親に愛されていない。大切に思われていない。ぼくなんかいない方がいいんだ」と思うようになります。
●人格否定の言葉
もう一つ、親が絶対に言ってはいけないのが、人格否定の言葉です。
「ホント、お前はずるいね」
「また弟を泣かせて!なんであなたはそんなに意地悪なの?」
「まったくなさけない子だよ」
「お前は卑怯者だな」
これらは人格を丸ごと否定する言葉であり、絶対子どもに言ってはいけません。
このように言われると、子どもは「親はぼくのことをずるい子だと思っているんだ。どうせぼくはずるいよ。親もこんなぼくのことが嫌いなんだ」と思うようになります。
これら2種類の言葉は、子どもに自己肯定感を持てなくさせ、同時に親に対する強い不信感も持たせます。
言い換えると、自己否定感と他者不信感を植え付けてしまうということです。
●物事について否定的に叱る言葉
次に考えなくてはならないのが、物事について否定的に叱る言葉です。
例えば、次のような言葉は、人格や存在を否定しているわけではなく、物事について否定的に叱っているのです。
こういう言葉ならいいのでしょうか?
「また片づけしてない。ちゃんと片づけなきゃダメでしょ」
「宿題やらなきゃダメでしょ。何度言ってもできないね」
「明日の仕度してないでしょ。そんなことだから忘れ物するのよ。何度言ったらできるようになるの」
「また歯磨き忘れてる。言われなくても自分で歯磨きしなきゃダメでしょ」
よく、子育てや教育の本などに、「人格否定や存在否定はいけません。物事について叱りましょう」と書かれています。
ですから、人格否定や存在否定はしない親でも、物事について否定的に叱る言葉はOKと思っています。
それで、こういう言葉を毎日子どもにシャワーのように浴びせかけている親もいます。
●子どもの中の結論は同じになる
でも、子どもの立場になってみてください。
こういう否定的な言葉をずっと浴び続けているのは、自分以外の誰でもないのです。
ですから、子どもは「ぼくってダメな子だな。親は、ぼくのことをダメな子だと思ってる。あまり大切に思われていないんだ」という結論に至ります。
つまり、人格否定や存在否定と同じように、自己否定感と他者不信感を植え付けてしまうことになるのです。
それはそうです。
こういう言葉を毎日浴びている子が、「ぼくってすごい。できる。やれる。がんばれる。親はぼくのことをすごい子だと思ってくれてる。とても大切に思ってくれてる」と思うようになるはずがありません。
●ボクシングのジャブと同じ
これは、ボクシングにたとえてみると分かりやすいです。
人格否定や存在否定の言葉は、相手を一発でノックアウトするメガトン級のストレートパンチです。
たった一発で相手は深いダメージを受けます。
物事について否定的に叱り続けるのは、ジャブを打ち続けるのと同じです。
さすがに一発でノックアウトということはありませんが、ジワジワジワジワ攻撃し続け、否定し続け、最終的にはノックアウトに至ります。
つまり、子どもの中の結論としては同じことになるのです。
●物事について否定的に叱り続けることの弊害に、気づいている親は少ない
一般的には人格否定や存在否定の言葉を言う人は少ないです。大半の人はそういうことは言わないように気をつけています。
でも、そのように気をつけている人たちですら、物事について否定的に叱るのはOKと思っています。
これが実に大きな問題なのです。
なぜなら、大多数の親たちがそういう状態だからです。
物事について否定的に叱り続けることの弊害について、気づいている親は極めて少数派なのです。
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