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生活・しつけ
小学1年生 2014年1月1日の記事
ひとりっ子育てで気をつけたいことは?
《ひとりっ子の育て方 4 》 外弁慶なひとりっ子にするために
これまで、ひとりっ子への決めつけの無意味さや、ひとりっ子の子育てのメリットについて伺ってきました。
では、ひとりっ子を育てるうえで気をつけておいたほうがいいことはあるのでしょうか?
●チームワークの大切さが理解できる経験をさせよう
ひとりっ子を育てるうえで、心がけたほうがよいことはなんでしょう?
和田 「例えば、きょうだいがいれば、何かをするときに『ひとりでやるよりも、大勢のほうがもっとすごいことができる』と思って、協力し合うこともあり得ます。
でもひとりっ子は、そうわかっていても手段がないので、『自分ができる範囲で』という発想になりがちです。
大勢でやれば、よりレベルの高いことに挑戦できるのに、ひとりでできる範囲で満足してしまうリスクが、ひとりっ子にはあるのです。
ですからひとりっ子のお母さんは、子どもに、人に頼まないとできない、みんなと協力しないとできないというできごとに、あえて遭遇させるような配慮が必要です。
例えばキャンプに行って、子どもの寝るテントを自分たちだけで張らせるとか、ちょっと大掛かりな工作をしたり、一人では運べない大きなものを運ばせるなど、友だちの家族などと手を組んで挑戦させてください。
ひとりではできないことが存在すること、誰かとすればできること、などが実感できると思います」
●内弁慶にならないために「本音」と「建前」の存在を教える
和田 「それから、ひとりっ子であることがややマイナスに働く可能性として『ひとりっ子は概して内弁慶である』ということが挙げられます。
きょうだいがいれば、毎日のけんかで『バカ!』『ブタ!』などと乱暴な言葉をぶつけあったり、日ごろのコミュニケーションで、他人にはいえないような本音丸出しの会話を経験しています。
これは本音で言い合っても関係性が壊れないからで、きょうだいっ子の最大の強みです。
今の学校は『超・建前空間』になってしまっており、子どもが悪口を言い合える環境ではありません。
ひとりっ子はむき出しの本音のふれる機会がない『無菌状態』で育つので、外できつい言葉を投げかけられると、一気に心が折れてしまう危険があるのです」
では、どうすればいいのでしょう?
和田 「一つには、外で見せる強さこそが評価される、と教えることです。勉強や習い事で、外で頑張ったらうんと褒めるようにしましょう。
もう一つは『建前』と『本音』の存在を教えること。
例えば、子どもが学校から帰ってきて『○くんて、ブタなんだよ』などと言ったら、お母さんはビックリして、「そんなこと言っちゃダメだよ!」と頭ごなしに叱るでしょう。
すると子どもは『自分が思ったことは、お母さんが思わない、悪いことなんだ』と、自分だけで悪い人間のように感じ、本心を語らなくなってしまいます。
もし、子どもが他人の悪口を言ってきたら『○くんって、ブタなの? あなたはやせてるものね』と、子どもがそう考えること自体は妥当だと認めましょう。
そのうえで、『でもね、ブタなんて家の外で言っちゃダメだよ。○くんの前で言ったら悲しい気持ちになるだろうし、怒るかもしれないでしょ』と、外で言ってはいけないことがあることを教えるのです。
子どもは言っていいことといけないことを自分で判断できませんが、『これは言ってはいけない』と言われれば、それを守る分別はあるものです。
人は建前を大切にするけれど、心の中には、人を悪く思う気持ちや嫉妬心もあることを教えて、子ども時代のうちに、本音空間への耐性を身につけさせてください」
和田先生、ありがとうございました。