小児科医。日本小児神経学会評議員。日本睡眠学会理事・評議員。
日本子ども健康科学会理事。子どもの早起きをすすめる会(http://www.hayaoki.jp)発起人。
“よく眠ることはよく生きること”であると、睡眠をめぐる脳や心、身体、生活について研究・情報発信を行う。
著書に『子どもの睡眠』(芽ばえ社)、『「夜ふかし」の脳科学』(中公新書ラクレ)、『ねむり学入門』(新曜社)など多数。
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生活・しつけ
2012年9月11日の記事
朝はなかなか起きなくて、起こすのに一苦労。
夜は夜で、ついつい就寝が遅くなって……。
子どもの睡眠の習慣に悩んでいるママも少なくないと思います。
そもそも、子どもにとって良い眠りとはどんなものでしょう?
子どもの睡眠に詳しい小児科医の神山潤先生に、
子どもと眠りの関係についてお聞きしました。
神山 「何時までに眠りについて、何時間眠ればいい。
そんな数字にこだわるのは、実は意味がありません。
たとえ統計的に良いといわれる起床時間や睡眠時間があっても
それがわが子に、当てはまるとは限らないのです。
どんな睡眠のスタイルが心地良いかは
子ども一人ひとり異なりますから、
『わが子にとっての良い眠り』というものを
お父さん、お母さんに考えてほしいと思うのです」
では、子どもが「良い睡眠がとれている」と判断するのに
何かヒントになることはありますか?
神山 「人間は昼行性、つまり昼間に活動して夜休むようにできており、
特に午前10時~正午は、もっとも覚醒度が高い時間です。
この時間帯に眠気を感じず、学校や家庭で活発に過ごせているなら、
良い睡眠がとれていると思っていいでしょう」
あまり神経質になりすぎなくてもいいんですね。
でも、睡眠のリズムを子どもにまかせていると、
どんどん寝るのが遅くなってしまうのでは?
神山 「そもそも、なぜ子どもが夜になっても寝ないかといえば、
それは大人が寝ないからです。
日本人は、世界でもっとも睡眠時間が短い国民です。
ある調査では、もっともよく寝るオーストラリアとニュージーランドが
平均約9時間の睡眠をとっているのに対し、
約4割の日本人は睡眠時間が6時間以下しかありません。
大人はもちろん、子どもも短眠というデータがはっきり出ています。
それは、おそらく『寝る間を惜しんで働くのが良い』という文化が
私たち日本人の中にあるからでしょう。
でもこれは、人間の身体感覚を無視した生活です。
つまり『快さ』を無視しているのです。
こうした状態を続けていると、やがて自分の心身に必要なものもだんだんわからなくなってしまいます。
仕事に集中しすぎてかけがえのない子どもとの時間をないがしろにしてしまうといったことも、その一つではないでしょうか。
良い睡眠も『快さ』を追求することで得られます。
まずは大人が、もっと身体の素直な感覚に意識を向けて心地良く眠れる生活を実現してほしいと思います。
そうすれば、子どももごく自然に、良い睡眠がとれるようになります」
大人がもっと睡眠を大事にしないといけないんですね。
就寝時間や睡眠時間にキリキリするより、「心地良い眠り」を大切に。
人間の眠りの本質について、あらためて考えさせられました。
次回は、わが子の「心地良い眠り」を見つけるために
生活でどんな点に気をつけていけばいいかを、ご紹介していきます。
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日本子ども健康科学会理事。子どもの早起きをすすめる会(http://www.hayaoki.jp)発起人。
“よく眠ることはよく生きること”であると、睡眠をめぐる脳や心、身体、生活について研究・情報発信を行う。
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