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生活・しつけ
小学1年生 2014年3月23日の記事
《教育資金・コツ4 》 最も教育資金が貯まる “オススメ商品” は
教育資金を貯める金融商品は、有利なものというより「やめにくいもの」を選ぶことが大切。
どうせお金を貯めるなら、少しでも有利な金融商品で貯めたい!と思うのが人情というもの。
しかし、「教育資金の貯蓄については、おトクな金融商品はない」とファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんは言い切ります。
菅原 「今の『学資保険』の多くは予定利率が低く、医療特約などをつけると十数年間に支払った保険料の総額よりも、受け取れる学資金(保険金)が少なくなってしまいます。
また以前は『個人向け国債』で教育資金準備を、という話もありましたが、今は国債はおすすめできません。
国債を発行する意義はわかりますが、これ以上国の借金を増やして子ども達にツケをまわしていいのか、親としては考えたいところです。
金利的な魅力も薄れています。
今は、教育資金の貯蓄に向く金融商品で、金利的にメリットがあるものはない、というのが現実です」
では、教育資金はどういう金融商品を選べばいいのでしょうか?
菅原 「教育資金は、おトクというよりも、『やめにくいもの』で貯めていくことが重要です。
たとえば、教育資金を生活に使う普通預金口座に入れたままだと、何かお金が必要になったとき、すぐにATMで引き出せます。
当たり前のことですが、一度引き出してしまえば、子どもの将来のために使うはずのお金は、ゼロになってしまいます。
一方『学資保険』は、お金が必要になったときは中途解約もできますが、解約を申し出ると保険会社の人が『本当にやめますか? お子さんのために続けてきたのですよね?』と意志の確認をしてきます。
このワンクッションが心理的なブレーキとして働くため、学資保険は『継続しやすい』点が一つのメリットといえます」
普通預金口座にお金があるとつい使ってしまうタイプの人は、学資保険を利用するのもアリ、ということですね。ではこれから学資保険に加入するなら、どんな点に注意すればいいでしょう?
菅原 「学資保険は、大学の教育資金という目的のためだけであれば、医療特約などの特約は不要です。
最近は、教育費負担が少ない10歳頃まで保険料払い込みを終える保険や保険料を最初に一括で支払う一時払いで加入すると、支払い保険料が割安になるものもあります。
支払う保険料の総額と、受け取れる学資金(保険金)の金額を確認して納得できる保険を選びましょう」
それでは保険でなく、積立で教育資金を貯めたいという家庭は、どう考えて貯めていけばいいですか?
菅原 「積立で貯めていく場合は、子ども名義の専用口座を作って貯めるといいと思います。
もっともおすすめなのは、給与天引きで、自動的に子ども名義の口座に一定額を積み立てていく『自動積立』。
口座が子どもの名義になっているだけでも、『これは子どもの学資に使うお金』と再確認ができ、安易な引き出しにストップをかけられます。
また親が作って管理している口座だとしても、名義人が子どもだと、本人の年齢が15~16歳を超えると、本人確認なしにはお金を引き出せないという規則のある銀行も少なくありません。
その点でも、お金を崩さずに貯められる方法といえます」
なるほど。途中で解約したり、引き出したりせずに “続けていける貯め方” がポイントになるんですね。
難しく考えなくても、「名義を子どもの名前にする」などちょっとした工夫でやめにくくなる、というのも目からウロコです。
菅原 「住宅資金や老後資金であれば、目標額が貯まらなかったら『家を買うのをあと2年遅らせよう』『あと1年働いて老後資金を増やそう』などと調整ができます。
しかし教育資金だけは、使う時期が子どもの年齢によって決まっていて『お金が貯まってないから1年浪人して』とはいえません。
そのため運用成績によって受け取れるお金が目減りしたり、途中で貯蓄を取り崩したりせず、必要な金額を着実に貯められる方法を選ぶことが大切なのです」
有利なものよりも、やめにくいものを選ぶ。
「学資保険」や「自動積立」で継続してコツコツと貯める。
“継続は力なり” というのは、教育資金準備でも当てはまる金言ですね。
プロフィール
ファイナンシャル・プランナー。
「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。
子どもの年齢に応じた教育費対策セミナーや執筆、家計相談業務の他、3児の母としての視点を生かし「子どもにかけるお金を考える会(http://homepage2.nifty.com/moneychild/index.html)」メンバーとして活躍中。
地元湘南ではママ向けの講座「湘南らいふでざいん」を立ち上げ、受講者募集中。