【水筒の水だけでは足りない】親が知っておきたい“学校での熱中症対策”

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【水筒の水だけでは足りない】親が知っておきたい“学校での熱中症対策”

これからの季節、どんどん気温が上がってきて、授業に支障をきたすほど暑くなる日も多くなります。
学校では暑さや熱中症予防にどのような対策をとっているのか、現役小学校教諭の舟山由美子先生に伺いました。

目次

エアコンは、授業に支障をきたす室温が目安

都内の学校では、教室にエアコンが設置されているところが多いと思いますが、学校によって、その対応はそれぞれ違います。教室ごとにエアコンをコントロールできる学校もあれば、校内全体でコントロールされている学校もあります。

私が勤務している学校は、暑さで子どもが集中できなくなるなど、授業に支障をきたすような室温になったら、その教室の担当教員(担任)がその都度判断し、エアコンのスイッチを入れるようにしています。子どもが操作することは禁止されていますが、子どものほうから「暑い」とか「クーラーをつけてください」と言ってくることもあります。授業が終わり、その教室に人がいなくなったら、エアコンは消します。

熱中症対策<症状や応急手当・救急車を呼ぶ目安>はコチラの記事で

「水分補給」は重要な熱中症対策

学校の熱中症対策としては、気温が高くなりそうな日は、朝から「水分補給」や、子どもたちの様子を把握するため休み時間の見回りを意識するよう教職員で申し合わせます。
また、屋外での活動や体育の授業の際に、子どもに話をするときなどは必ず日陰に入るようにします。

水を飲むのは子どもですので、自己管理も大切です。体育の時間には、授業中でも必ず水を飲むように意識させています。体育以外の授業中でも、基本的に子どもからの申し出があれば水を飲みに行ってもよいのですが、実際には、ほとんどそうしたケースはないように感じます。

また、東日本大震災をきっかけに、緊急時のことを考えて「水筒を持たせたい」という保護者の声が出るようになりました。緊急時のためという以外にも、保護者によっては、「水道水が心配」という方もいれば、「暑い時期だから子どもに冷たい水を飲ませたい」など、水筒を持たせたい理由は様々ですが、水筒持参を認めるかどうか、最終的には学校長の判断によって対応が違ってきます。

私がこれまで勤務した学校の校長は、水道水は水質検査を厳しく行っているのだから学校の水道の水を飲んでください、という校長が多かったという印象です。ただ保護者の思いにも理解できる部分はあります。

ただし、水筒を持たせて良い学校でも、例えば運動会の練習が佳境に入った暑い時期などは、みんなのどが渇いて大量に水を飲むので、水筒の水だけでは足りず、最後は水道の水を飲んでいます。うがい手洗いも水道水です。ですから、何よりもまず公共の水道水の水質がしっかりと管理・維持されているかが重要だと感じています。

夏場はハンカチが大活躍。忘れずに持たせましょう

夏の服装については、暑い季節であっても、清潔な下着を着ることなどの配慮が「ほけんだより」に書かれていると思います。最近は、肌着を着ない子も多いですが、Tシャツ1枚で肌着も兼ねているという感覚になっているのかもしれません。
でも、子どもは汗を大量にかくので、そのままだと体やおなかが冷えてしまいます。汗を吸収させるためにも、肌着はやはり重要だと思います。
とはいえ、学校でいろいろ指導をしても、どんな服装にするかは最終的には家庭の判断なので、そのあたりはお子さんでよく相談してみて下さい。

そしてもう1つ、意外に大切なのがハンカチの問題です。暑い時期になると、手だけでなく汗をふくときにも必要なので、忘れずに持たせましょう。1年生はまだよいのですが、上の学年になればなるほど、ハンカチを持たなくなります。

トイレに行った後も、汗をふくのも、服の裾あたりで拭いたり、わざと髪を水で濡らしたままにして、CMに出てくる俳優のようにカッコつけている男の子もいます(笑)。家庭でハンカチやミニタオルを持たされていても使わない子どももいます。女の子の場合は、洋服のポケットが小さかったり、少なかったりするのも一因かもしれませんが、衛生面の問題などもあるので、学校と家庭とで、根気強く伝えていく必要があると思います。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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