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小学1年生 2016年7月7日の記事

夏休みの感想文が書けるか不安です

《きいて 教えて 舟山先生!》 親子で一緒に書き上げるつもりで取り組んでは

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こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

 

夏休みも、もう目前。でも、お休みが楽しみな子どもたちに対して、親御さんにとっては夏休みにつきものの宿題が不安の種。なかでも難題は読書感想文のようです。

 

そんな方たちに向けて、今回は読書感想文の書き方について具体的なアドバイスをお送りいたします。

 

 

Q.文字を書くのがやっとの息子に感想文を書かせるには?

 

1年生の息子は、入学時までに文字の練習をやっておらず、入学してからやっと書けるようになりました。そんな状態なので、文字はそれほど汚くはないのですが、親の目からは、書くのがやっとの状態のように見えます。

 

お聞きしたいのは夏休みの宿題の読書感想文のことで、こんな状態でちゃんとしたものが書けるのか疑問なのです。

 

息子はもともとあまり本に興味がなく、本屋さんで好きな本を選ばせても、あまり集中して読みませんし、「どうだった?」と聞いても、「わかんない」と答えるだけです。自分の感想を文章にするなどということが、あと1カ月ちょっとでできるようになるものなのでしょうか。

 

こういう、文字や文章が苦手な子に、感想文を書かせるために親ができることがありますか? アドバイスいただけるとうれしいです。

 (かずくん)

 

 

A.いい作文を書かせようと思わず、学習チェックの機会に

 

夏休みを前にした保護者会でも、このような声があります。

 

入学前の学校説明会では、文字は入学してから指導しますから……と言われて、そんなに家でやらせなかったし、入学して4ヶ月しかたっていないのに、読書感想文が宿題に出ても無理です、というお母さん方の(悲鳴の)声が聞こえてきそうです。

 

ひとつには、保護者のみなさんにも刷り込まれているかもしれない「夏休み → 読書感想文 → 何の本を読むか、どう書くか苦しんだ記憶」が、とても影響していると思います。

 

今年入学したばかりの子どもにとっては、読書感想文なんて未経験のことですから、何がどう大変か分かりません。けれども大人のほうには、夏休みになると読書感想文がある、自由研究があるという『呪縛』が重くのしかかってくるようなのです。

 

確かに、学校でも「せんせい、あのね」の書き出しで続きを書いたりする日記体の文章を一文・二文、とやっと書き始めた子もいますから、読書感想文のハードルは高いと言っていいでしょう。

 

読書感想文は日記文とはまた違って、少し難しく言うと本の内容を分析・批評する面と、自分の思いを書く面とがあるので、どう書いていいか悩みますよね。

 

これは私の意見ですが、作文は一斉指導というより、個人指導で向上することが多いので、本来なら学校で時間をとってきめ細かく教えたいものです。夏休みだから読書感想文を書いていらっしゃい、というのはやはりちょっと無理があります。

 

それなのになぜ感想文の宿題が出るかというと、ずっと以前からの「慣習」であるから、ということになると思います。今でも読書感想文のコンクールは基本的には学校からの応募で、地区審査から上がっていきます。学校が関わらざるを得ない作文のひとつです。それが毎年続いているのだと思います。

 

学校によっては、1年生にはこの宿題がなかったり、担任の先生によっては事前にそれなりの指導をされている場合もあったり、本を指定したりするようです。

 

 

●「聞き書き」や「手紙」形式にすると書きやすくなる

 

いずれにしても、ご相談者のお子さんはこの宿題があるという前提で、ここは前向きになっていただくアドバイスをしますね。

 

具体的には、以下の4つになります。

 

①読書感想文は、「本選び」で決まる 

 

児童の感想文を読むと、どんな本を選んだのかによって作文の質が違ってくるように思います。

 

物語なら、登場人物に「共感」できる要素があること

人生や生き方について、(1年生なりに)考えさせられる内容であること

ノンフィクション(科学的な内容・事実に基づいた内容)の本なら、自然現象・摂理に対して著者の人生哲学が、わかりやすく書き表わされているもの   

 

などです。ですから、登場人物に共感しやすい本を選ぶのであれば、お子さんが好きな本やいつも読んでいる(読んでいた)本について書けばよいでしょう。             

また、人生や生き方について考えさせる内容のものとしては、各学年に推奨されている「課題図書」もよいと思います。毎年、良い本が選ばれていると思います。

 

 

②1年生なら、大人(この場合は保護者)の「聞き書き」でもよい

 

特に今の時点では、自力で感想文を書ける子のほうが少ないと思います。お家の方が「この本で一番面白かったのはどこ?」「この主人公は、何でこんなことをしたと思う?」などと一つひとつ聞きながら、それをメモしておき、子どもに「こんなふうに書いてごらん」と言って原稿用紙に向かわせます。書くのは子どもなのですが、司令塔はお母さんということです。

 

あっ、肝心なポイントを忘れていました!

 

「あなたが主人公だったら、どうした? なぜそう思う?」ということを常に考えさせると、「共感」の部分が書きやすくなります。

 

 

③登場人物への「手紙」の形を使う

 

これは、国語の時間でも使う手法です。手紙の形なら堅くならずに書けるので、子どもの素直な気持ちが出てきやすいのです。お母さんも「感想文」というより、手紙を書くのを見守るほうが心穏やかにいられると思います。

 

 

④「読書感想文」の宿題で評価はつかないかもしれないが心情は育つ

 

いい作文を書かせようと思うと、キリキリしてしまいます。日本の学校の「慣習」の一つであると思ってください。

 

ただし、どうせ評価なんてつかないんでしょう、と思って取り組むのはもったいない話です。入学してからこれまでの、我が子の学習の成果を見る絶好の機会です。例えば、お母さんが口で言ったことをそのまま文章にできているのか、「お・を」「わ・は」が正しく書けるのか、ひらがなの文字は書き順どおりか、といったことがチェックできるよい機会です。

 

そして、子どもが間違えてもいちいち叱ってはいけません。子どもは原稿用紙に文字を埋めるので精一杯です。一度にいろいろなことはできません。「そこは、こう直すんだよ」と教えます。

 

そして、できていなかったことは密かにチェック事項として心に留めておきます。1年生の終わり頃には、ほとんどが改善しているはずです。その成長段階を見る場だと思いましょう。

 

 

人生で初めての「読書感想文」についての思い出が、お家の人と一緒に書き上げた達成感であれば、それは成功体験となって、その後の「作文」を書くときにも心の支えになると思います。

 

こんなふうに一緒に宿題に取り組めるのは、学童期のほんの数年です。そう思って今年の夏休みを過ごしてみてください。

 


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