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生活・しつけ
小学1年生 2016年6月2日の記事
★「いじめをする子」に話を聞くときの10のステップ[2016/6/2]
《いじめっ子の問題を解決・3回目》いじめをする子どもの気持ちを聞いてから、いじめられた子の気持ちを考えさせます。
子どものいじめ問題を解決するためには、どのように会話を進めていけばいいのでしょうか?
前回に続き、NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事の武田さち子さんにお話を伺います。
●子どもが話しやすい聞き方をする
武田 「いじめをした子に話を聞くときに知っておいていただきたい、10のステップをお伝えします。
《話を聞くときの10のステップ》
【1】子どもを責めないで話を全て聞く
『お母さん、今から、○○(子どもの名前)に話を聞きたいことがあるよ。怒らないから本当のことを話してね』
子どもは『叱られる』と思っています。話し出しやすいように、促してください。
子どもが話し出したら途中で口をはさまないようにします。
じっくり聞くことで信頼関係ができます。
たとえ話が脱線しても、『それは関係ないことでしょ』と指摘しません。
関係ないと思えることの中に、いじめの本当の原因が見つかることもあります。
【2】小さなことから質問する
最初に『いじめをしたの?』と、核心をつく質問をすると、『した』『してない』としか答えられないので、何も話してくれなくなります。いじめをしていないのに認めてしまうこともあります。
『YES』か『NO』の答えになる質問の仕方ではなく、次の『5W1H』を意識して質問し、具体的な答えから事実を整理します。
いつ?(When)
どこで?(Where)
だれが?(Who)
なにを?(What)
なぜ?(Why)
どのように?(How)
なかなか話し出さないときは、先に他の子どもがどうしたかを聞き、その後で自分はどうしたかを聞きます。
話すのが苦手な子どもには、書かせるという方法もあります。
まずは事実のみをできるだけ時系列で箇条書きにして、書かせます。あるいは現場の配置図などを書かせて、その時の状況を口頭で説明させます。
【3】矛盾点やウソを見抜く
子どもが話すときの目線の動き、落ち着きがないなど、いつもと違うところはないかを見てください。ウソを冷静に見抜いていかなければいけません。
そのとき、
『ウソをついているでしょ!』
と叱らずに、
『お母さん、あなたがウソをついたらわかるよ。本当のことを言ってごらん』
などと、ごまかしが効かないことを伝えてください。
子どもの話を一通り聞いたら事実を整理し、あいまいなこと、矛盾点を質問します。
例えば、
『さっき、“みんな”って言ったよね。みんなって、誰と誰のことか名前を教えて?』
と、具体的な友達の名前を聞きます。まだ話していないことはないかも、確認します。
【4】なぜいじめたのか、子どもの気持ちを聞く
事実が整理できたら、いじめをした理由を聞きます。
例えば、
『生意気だから、ムカついて無視した』
という、理由を挙げたとします。
この『生意気だから』は、表面的な理由です。
ここで話を終えずに、心の奥にどんな思いがあっていじめをしたのか聞いていきます。
『どんなときに生意気だって思うの?』
『ムカつくって、どんな気持ちかな?』
『無視したとき、どんな気持ちになった?』
子どもに、いじめをしたときの状況や自分の気持ちを言葉で表現させます。
マイナスの感情も受け入れてください。
子どもは自分の言い分を聞いてくれたと思い、安心します。
【5】いじめられた子の気持ちを想像させる
次に、いじめられた子の気持ちを考えさせます。
『あなたが無視されたら、どんな気持ちになる?』
『あなたの悪口を言われたら、どんな気持ちになる?』
時間がかかっても、子どもによく考えさせてください。
なかにはどうしても、他人の気持ちが想像できない子どももいます。
そういう子には、
『母さんが同じことをされたら、悲しくなっちゃうな』
『もう二度と一緒に遊びたいと思わなくなっちゃうな』
などとヒントを与えます。
【6】自分にも相手にも、いいところ・悪いところの両面があることを伝える
大人でも『いじめられる側にも原因がある』と言う人がいますが、それは大きな間違いです。どんなことでも、いじめていい理由にはなりません。
『○○(子どもの名前)にも、△△くん(相手の子の名前)にも、よいところ・悪いところの両面があるんだよ。悪いと思うところも見方を変えると個性になるんだよ』
『生意気なところも、見方を変えれば、自分の意見がはっきり言えるってことだよね』
『○○(子どもの名前)も失敗することがあるよね。何でもできる完璧な人はいないのだから、失敗したっていいんだよ』
人には、よいところ・悪いところの両面があり、いろいろな見方があることを、子どもに伝えます。
【7】なぜ、いじめがいけないのか伝える
いじめは人の心と身体を傷つけ、命まで奪ってしまう行為です。
『一人から無視されるより、大勢の人から無視されるほうが、もっとずっとつらいよね』
『悪口を言われたり、無視されたりするのがつらくて死んでしまう人もいるんだよ』
『言葉や態度で相手を傷つけるのは、なぐるのと同じことだよ』
『身体の傷は治っても、心の傷は一生残るんだよ』
『人を傷つけても平気な人になってほしくないんだよ』
など、なぜいじめをしてはいけないのか伝えます。
【8】再発防止策を話し合う
今度同じようなことが起きそうなときにはどうすればよいか、具体的な行動のアイデアを複数出して話し合っておきます。反省が表面的なものかどうかがわかり、再発防止につながります。
【9】話してくれたことに感謝する
悪いことをして、それを正直に話すのは勇気がいるものです。
『本当のことを話してくれてありがとう』と感謝します。
自分がしたことが悪いことだと理解したときにも、『わかってくれてありがとう』と感謝します。
子どもは、『お母さんに話してよかった』と思います。
【10】いじめられた子に謝らせる
子どもがいじめをしたことの罪を感じ、忘れないようにするために、いじめられた子に謝罪をさせます。
ただし、被害者の気持ちを第一にして、『会いたくない』と言われれば、手紙で謝罪します。
謝罪をすることで『いじめをしたのが悪いことだ』と実感でき、謝りに行ったという思い出が子どもの心に残って、忘れにくくなります」
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