●教育評論家 親野智可等からママへアドバイス


 
マイペースな性格を直すことは、大人でもなかなかできないことです。
直そうとすれば、四六時中、子どもを叱りつけることになります。これでは、親子関係も悪くなり、非常に大きなマイナスです。
マイペースな性格は、直さなくていいのです。私が小学校教師をしていたときも、マイペースな子は何人もいましたが、それで困ることはありませんでした。むしろ、マイペースな性格の子は、やさしい性格で友だちから好かれることが多いのです。これは私が教師を何十年も経験してわかったことです。
 
今回のクイズのケースの場合、明るく励ます口調で「早く、早く、もう少し早く!」と言ったり、「何分でできるか測ってあげるね。用意、ドン!」と言ったりして、子どもの気分を乗せてあげる声かけをするのもおすすめです。
 
そのとき、「何度言ったらわかるの!」などと、余計なことを言わないことです。とくに「のろまなんだから」などという人格否定の言葉は絶対に使ってはいけません。
 
手が止まっていたり、遅かったりしても、そのつど明るく楽しい言葉で促してあげればいいのです。「この子らしいな」と思いながら、何十回でも、何百回でも。そうすれば子どもも明るく楽しい気持ちでがんばれます。
 
ただし、小学校の先生が「今のうちに直してあげなければ」と考えている場合、子どもは学校で急かされることになります。そういうときは、担任の先生に「マイペースでご迷惑をおかけして、すみません。家でも努力しているのですが……」と言っておけばいいのです。
そうすると、先生も「家でもがんばっているんだから、しょうがないか」という気持ちになれるので、ガミガミと叱ることが減ります。
 
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